年次学術大会

学術大会

 第15回 日本カイロプラクティック科学学会学術大会
~ オンライン学会 ~

【会期】2024年6月16日(日)・17日(月)
【会場】オンライン学会(ZOOM利用)
【大会長】柴田泰之(医療法人社団プラタナス 株式会社メディヴァ スパイナルケア用賀 院長)
【テーマ】「地域医療を通して最善の健康を考える」
【主催】日本カイロプラクティック科学学会
【後援】(一社)日本カイロプラクターズ協会・(一社)日本スポーツカイロプラクティック連盟

【基調講演】

  • 独立行政法人国立病院機構北海道医療センター院長 伊東 学
  • 島根大学医学部附属病院総合診療医センター長 白石 吉彦
  • 桜新町アーバンクリニック院長 遠矢 純一郎
  • 聖路加国際大学PCC開発・看護情報学准教授 射場 典子
  • 厚生労働省医政局医事課 担当者

【招待講演】パネルディスカッション

  • 石谷ヘルスセンター院長 石谷 三佳
  • TAI Chiropractic NYC院長 仲野 広倫
  • カリフォルニア州在住 須藤 陽次郎
  • 若槻カイロプラクティック院長 若槻 朋彦(司会)

大会長挨拶

大会長 柴田 泰之
医療法人社団プラタナス 株式会社メディヴァ スパイナルケア用賀 院長

今年の学術大会テーマは「地域医療を通して最善の健康を考える」です。日本は全ての国民が同水準の医療を受けられる国民皆保険制度を採用していますが、昨今の超高齢社会による労働力人口の減少から医療の地域格差が広がり、さらには高齢者医療費の増加に起因する現役世代の医療保険料負担増が社会問題となっています。こうした問題の解決策として予防医療や健康増進計画の促進、過剰医療の抑制など根本的な医療制度改革が喫緊の課題です。

本学術大会のテーマに含まれる地域医療には様々な定義があります。厚生労働省は医療制度改革のひとつとして地域医療構想を掲げ、各地域における2025年の医療需要と病床の必要量を高度急性期・急性期・回復期・慢性期という4つの医療機能ごとに推計し策定しました。地域医療構想は現状の医療制度を堅持したまま医療の需要と供給のバランスを調整する政策ですが、より長期的な視点から言えば、在宅医療の充実や医療従事者の多職種連携や業務範囲拡大を可能とし、医療従事者と患者の相互協力による地域社会に根ざした医療制度を実現するための施策が望まれます。

自治医科大学は地域医療を「地域住民が抱えるさまざまな健康上の不安や悩みをしっかりと受け止め、適切に対応するとともに、広く住民の生活にも心を配り、安心して暮らすことができるよう、見守り、支える医療活動である」と定義し、疾患中心のケア(Disease Centered Care)から人々中心のケア(People Centered Care)への移行を促しています。単に患者の疾病治療に限らず、地域住民の生活の質や社会とのつながりも考慮する患者参画型の人々中心のケアは、患者の医療に対する満足度を高めます。そうした意味から、本学術大会では地域医療を敢えてPeople Centered Careと英訳しました。

2016年、WHOは世界保健総会において統合的人々中心の保健サービス(IPCHS: Integrated People-Centred Health Services)フレームワークを策定し、疾病や医療機関を中心に設計された医療制度から人々のために設計された医療制度へと移行することで、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態)に向けた各国の事業発展を支援するとしています。

国際的に普及しているカイロプラクティックは人々の機能回復や健康増進に役立つ補完医療(現代医療を補完する医療)であり、腰痛などの筋骨格系疾患に対する効果が研究により注目されています。法制化された国々では、カイロプラクターはプライマリケア医療従事者として人々中心のケアを実践する立場にあり、多職種連携による協働ケアが行われています。我々カイロプラクターが地域医療に貢献するためには、古典的なカイロプラクティック独自の言語を避けて多くの医療従事者が理解できる共通言語を使用することが重要です。

本学術大会は、地域医療や整形外科分野の専門家による基調講演や、在米邦人カイロプラクターの方々による招待講演、および会員による一般演題をオンライン配信で予定しています。当日参加ができない皆様には事前登録による動画視聴をご用意しております。今年から日本カイロプラクターズ協会会員以外にも、医療系国家資格取得者や日本カイロプラクティック登録機構(JCR)認定登録カイロプラクターも当学会会員として入会が認められます。ぜひ皆様の本学術大会へのご参加を心よりお待ち申し上げます。

1) 医療保険制度改革を考える【厚生労働省
2) 地域医療構想【厚生労働省
3) 地域医療とは【自治医科大学
4) Integrated people-centred care【世界保健機関
5) ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)【厚生労働省
6) WHO global report on traditional and complementary medicine 2019【世界保健機関
7) WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings【世界保健機関

基調講演

SPINE20を通した世界レベルでの脊椎脊髄疾患領域の医療連携

独立行政法人国立病院機構北海道医療センター院長 伊東 学

SPINE20は、2019年にNorth American Spine Society(NASS)、EUROSPINE、Saudi Spine Society(SSS)、German Spine Society (GWG)の4つの脊椎外科学会が声を上げ結成された学際的組織である。各種脊椎脊髄疾患や外傷が、世界の人々の健康やWell beingに多大な影響を及ぼし、大きな社会問題となっているにも関わらず、各国政府やWorld Health Organization(WHO)で十分に認識されていない現状を憂慮し、各国の脊椎脊髄疾患を扱う各学術団体が連携し、G20の主催国で毎年定例会を開催するadvocacy groupである。

本会の趣旨に賛同する各国の脊椎外科学会、リハビリテーション学会、カイロプラクティック学会、患者組織、企業等が連携し、年一回G20開催地に集まり、開催国の政府やWHOに向けた声明文を出し、その内容は国際的な学術ジャーナルに掲載されている。2020年サウジアラビアのリアドで第一回が開催されたが、その1年前、2019年の大阪G20に連携して開催された会合がSPINE20の創設に大きな役割を果たした。日本脊椎脊髄病学会(JSSR)がSPINE20のpartner societyの議長組織となり、アジア、ラテンアメリカ、オセアニア、ヨーロッパなどの世界各地から、脊椎脊髄医療に関連する各団体からメンバーを集め、現在世界で30を超える団体が加入している。

第2回2021年イタリア、第3回2022年インドネシア、第4回2023年インドにおいて、現地政府の要人を招き、地域社会に密接に関連し、かつグローバルレベルで解決すべき脊椎脊髄疾患の重要性を議論し、現地政府やG20首脳への提言を続けている。この組織内でのJSSRの役割は大きく、学術団体のみではなく、脊椎脊髄難病の患者組織を含めた活動へスケールアップしてきた。今後さらに世論形成から政策提言までできる組織へと成熟することを目指し、活動を継続する方針である。講演では、今までの活動内容と今後の展望について紹介し、貴学会からのご支援もお願いしたい。

隠岐での実践、そして総合診療医育成

島根大学医学部附属病院総合診療医センター長 白石 吉彦

1992年に自治医科大学を卒業し、徳島で初期研修、山間部での地域医療を行った後、1998年に隠岐諸島島前(どうぜん)地区にある島前診療所(現隠岐島前病院)に赴任した。2001年には同病院院長となった。当地区は約6,000人、高齢化率45%で、開業医はなく、3つの公立診療所と44床の同病院がある。圏域内完結率は外来で約7割、入院は約4割。地域の需要に応える形で複数の総合診療医が、小児、運動器の診療を行い、内視鏡、エコーなどを駆使する。地域で必要な様々な手技を学ぶことができ、それを求めて全国から総合診療医が集まっている。当院は1998年の赴任当時4人で担っていたが、現在は9名の総合診療医が在籍している。

へき地離島での総合診療のやりがい、楽しさを後進に伝えるために2021年より島根大学内に設置された総合診療医センター長に就任し、月火水は隠岐で勤務し、木金は大学で勤務している。地域医療を実践する多くの総合診療医が大学の教育にかかわり、学生を地域の病院で教育するというコンセプトで卒前卒後教育に携わることで、彼らが総合診療専門医の姿を具体的に将来像に描けるように活動を続けていきたい。

超高齢社会における地域医療の現状と課題

−カイロプラクティックへの期待−

桜新町アーバンクリニック院長 遠矢 純一郎

世界一の長寿社会を突き進む日本。その高齢化率はもうじき3割に届く勢いで、2040年までさらに上昇していく。我が国の医療介護政策は、「2025年までに地域包括ケアを実現する!」という目標が打ち立てられ、病院医療中心から地域包括ケアへの移行が進められてきた。

加えて、疾病構造や高齢者の価値観の変化により、病院での専門医療から地域であらゆる健康問題に対応するプライマリケアや在宅医療の比重が大きくなっている。一方で、医療介護人材の不足や医療介護費の高騰、急性期病床や看取りの場の不足、救急搬送の増加など、様々なリソース不足の懸念も拡がっている。

その方が望む暮らしや療養、最期を実現するために、医療や介護のみならず、社会の多面的な関わりや支援が必要となっている。高齢者は予備力に乏しく、例えば腰痛や転倒であってもそれを契機として日常生活機能低下などによりQOL低下を生じやすい。一度低下を来すと完全な回復を期待することは難しいため、平素から身体機能、運動機能をしなやかに保ち、虚弱さ(フレイル)の進行を予防すること、また薬物治療による様々な弊害も生じやすいため、非薬物的なアプローチで痛みや障害を軽減させることも重要である。認知症などにより慢性的な痛みの潜在からBPSD(行動心理症状)が生じている場合もあり、高齢者の痛みに対する緩和ケアの重要性も高まっている。

施術により身体機能の修正やメンテナンスを行うカイロプラクティック的なアセスメントや治療の重要性は、今後さらに高まっていくだろう。日常生活機能の保持をはかることが、本人や家族のQOLのみならず、医療費や介護費の抑制にもつながる。本格的な在宅医療制度の開始から20年が経過した現在。いよいよ厳しさを増す高齢化の大波を如何に乗り越えていくのか。今後の20年を見据えて、これからの社会変化と高齢者医療・ケアについて考察する。

ピープル・センタード・ケア(People-Centered Care)の実現に向けて

聖路加国際大学PCC開発・看護情報学准教授 射場 典子

少子超高齢化時代を迎えるわが国において、人口構成や社会・経済情勢の変化により、専門職が主導で健康課題を解決するには限界があります。地域や個人の健康課題の解決には、人々(市民や当事者)が課題を自分のこととして捉えて取り組んでいくことが重要です。それは、私たち一人ひとりが自分の健康や生活の主体であり、個々の希望や価値観に沿った適切な医療を受けるために必要なことです。専門職は、一人ひとりが主体的に自分の健康づくり、健康課題に取り組めるよう対等なパートナーとして支援することが求められています。

ピープル・センタード・ケア(People-Centered Care)とは、「市民や当事者が主体となり、保健医療専門職とパートナーシップを組みながら、個人や地域社会の健康課題の改善に向けて取り組むこと」を指します。保健・医療・福祉の主人公は、医療者が「患者」と呼ぶ人たちではなく、地域で生活を営んでいる人たち、病いや障害の当事者などかけがえのない人生を生きている一人ひとりの市民 、そして、コミュニティです。

医療現場においては、往々にして本人の希望や価値観が重んじられず、医療者主導で進められてしまうことがありますが、それは持っている医療情報の量や質の差によって医療者に質問したり希望を伝えたりすることを困難にしている可能性があります。自分の状況を理解し自分の希望や価値観に従って意思決定するためには適切な情報を得て判断するための支援が不可欠です。また、対話を通して各個人の思いや希望を明らかにするかかわりが必要です。

一連のプロセスにおいて、PCCの8つのパートナーシップの要素が鍵となります。市民・当事者は自分が意思決定に参加する権利と義務をもつことを理解して主体的に参画することが求められます。PCCは、こうした個人変革が社会の変革につながっていくことを想定しています。PCCの実現に向けてできることは何か共に考えたいと思います。

(仮)医療関連法規および地域医療構想の概要

厚生労働省医政局医事課 担当者

<内容>

招待講演(パネルディスカッション)

患者中心の医療について考える

石谷ヘルスセンター院長 石谷 三佳

患者中心医療とは何なのか?患者の立場から、また、カイロプラクターとして医療従事者側の立場から、患者中心医療について考える。

オリンピックレベルのチーム医療から地域医療を考える

TAI Sports Medicine and Chiropractic院長 仲野 広倫

SCUHS(旧LACC) を卒業しDCを習得してから、アメリカでスポーツ医学を学び、幸いなことにアメリカ五輪チームと共に東京オリンピック、パンアメリカンゲームなど世界的な大会に帯同させていただきました。私が渡米した理由は最高の筋肉骨格系治療を求めてだったのですが、スポーツ医学、カイロプラクティックに出会いかなりこれに近づけたと考えております。スポーツ医学とはアスリートだけのものではなく、一般的な筋肉骨格系の症状に対しても効果を発揮します。

TEAM USA の様な組織ではさまざまなヘルスケアプロバイダーが関わりますが、ここで行われる医療は一つの理想なスタイルの医療だと思っています。それぞれのプロフェッショナルが協力して行う医療体系であり、全員が目の前のアスリートの最高のパフォーマンスを求めて協力し合う医療。私も含めて一般的な医療機関がこのレベルの医療を常に提供することは難しいですが、こんな経験から日本の皆様が地域医療に関わるヒントがお話しできればと思っおります。

私も渡米前は日本で鍼灸大学を卒業し、整体、カイロプラクティックの修行をして日本で毎日の臨床を行なっておりました。日本における鍼灸、接骨、カイロプラクティック等の業界についても多少の理解がありますので、それらと日米の臨床経験からアメリカにも日本にも優れたところがあると感じます。日米の優れたところをうまく取り込んで、カイロプラクティックの今後も含めて、医療としての大きな意味でのお話ができればと思っております。個人的な見解が多くなってしまうかとは思いますが、少しでも今後の日本へ必要な医療を担う役目ができればと考えております。

Person-Centered Care 臨床への導入

カリフォルニア州在住 須藤 陽次郎

研究論文や資料を用いPerson-Centered Careを理解し、臨床に取り入れることにより、治療の質及び結果を向上し(特に慢性疾患でいままでの治療介入がうまくいっていない患者に対して)、QOLの向上させ、しいてはPeople-Centered Careにつなげる。

司会

若槻カイロプラクティック院長/JAC常務委員 若槻 朋彦(司会)

一般演題(症例報告)

  • Healthy Life Central院長 臼田 純子
  • カイロプラクティックそのまんまサンシャイン院長 伊藤 孝英
  • あかしカイロプラクティック整体院長 佐々木 空
  • 若槻カイロプラクティック院長 若槻 朋彦

【プログラム】

6月16日(日)

13:00-13:10 開会挨拶 第15回学術大会 大会長
13:10-13:20 学会代表挨拶
13:20-13:50 基調講演①
14:00-17:00 招待講演

6月17日(月)

10:00-11:00 基調講演②
11:00-12:00 基調講演③
12:00-12:40 基調講演④
12:40-14:00 昼休憩
14:00-15:00 基調講演⑤
15:00-16:00 一般演題(症例報告)
16:00 閉会

※14:00-16:00 途中休憩あり

【参加費】
■ 正会員 8,000円(オンライン参加)
■ 卒後1年 5,000円(オンライン参加)
■ 学生会員 無料(オンライン参加)
■ 非会員 12,000円(オンライン参加)

【抄録集】5月下旬に抄録集をPDFデータでお送りします。(参加費込)。印刷冊子をご希望の方は郵送でお送りいたします。(300円:郵送料および税込)

【お願い】

  • パソコン画面上でのビデオや携帯電話での動画撮影、および写真撮影はご遠慮ください。ご了承の程よろしくお願いいたします。

【申し込み】申し込み締め切りは6月10日です。

【大会事務局】 日本カイロプラクティック科学学会事務局
東京都港区西新橋3-24-5-503 一般社団法人日本カイロプラクターズ協会内
電話 03-3578-9390 Email : info@chiropractic.or.jp

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日本カイロプラクティック科学学会
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