学術大会

第10回 日本カイロプラクティック科学学会 学術大会

EPIC(エビデンスに基づく、患者中心 の医療専門職間での多業種連携)のケアが国際的なカイロプラクティック業界で重視されてきていることから、今年は「エビデンス(科学的根拠)に基づく臨床」をテーマに開催します。カイロプラクティック・ケアのエビデンスや日本の医療制度の課題まで幅広いトピックの講演とカイロプラクティックに関係する研究発表を予定しています。

【会期】2019 年11月3 日(日) 10 時00分~ 17 時00分、11月4日(月) 9 時30分~ 16 時00分
【会場】昭和女子大学 オーロラホール(東京都世田谷区太子堂1-7-57)
【大会長】明田 清吾 (アケダカイロプラクティック・JAC副会長)
【テーマ】「エビデンスに基づく臨床を目指して」
【主催】日本カイロプラクティック科学学会
【後援】(一社)日本カイロプラクターズ協会・(一社)日本スポーツカイロプラクティック連盟
【協賛】東洋レヂン株式会社・株式会社UGA & Co.

【基調講演】

  • 直原 幹 氏(上越教育大学)
  • 大谷 晃司 氏(福島県立医科大学)
  • 森實 敏夫 氏(日本医療機能評価機構)
  • 北澤 京子 氏(京都薬科大学)
  • 医政局医事課 担当者(厚生労働省)
  • 後藤 雅博 氏(後藤カイロプラクティックオフィス)
  • 竹谷内 啓介 氏(東京カイロプラクティック)
  • 中塚 祐文 氏(中塚カイロプラクティック研究所)、他

基調講演

「注意」の在り方と運動学習

直原 幹 (上越教育大学 副学長・芸術・体育教育学系 教授)

日常生活で「注意しなさい」「集中しなさい」という言葉をよく使います。「注意」や「集中」は、同様な意味に使われているようです。しかし、「注意」の働きや制限を理解している人は、少ないのではないでしょうか。私たちは一日中、身体の内外からたくさんの感覚情報を受け取っています。この文章を読んでいる時は、文字に注意を向けているので視覚からの情報を主に処理しているかもしれませんが、同時に他の感覚も存在しています。例えば、今現在も足の裏の身体感覚はあるはずですが、注意を向けていないために足の裏の感覚は処理されず、意識的に知覚されることはありません。つまり、私たちはその時に重要な感覚の情報に選択的に注意を向けて、限られた情報だけを処理しているのです。
様々なスポーツでは素早く正確な情報の処理が必要になります。これはカイロプラクティックの技術習得や臨床の場においても同様でしょう。そのためには情報や処理への適切な注意の配分が重要になります。本日の講演では、「注意」についての知識を概観し、実験データのエビデンスに基づいて「注意」の在り方と運動学習の関係についてお話します。

エビデンス・EBM の概要

森實 敏夫(日本医療機能評価機構 客員研究主幹)

診療ガイドラインは、「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量して、患者と医療者の意思決定を支援するために最適と考えられる推奨を提示する文書」と定義される。推奨作成のためにはエビデンスの確実性すなわち効果の大きさと確実性、そしてそれらに基づく益と害の大きさとバランスあるいは正味の益の大きさの評価が必要になる。エビデンスの確実性は対象者Population、介入Intervention、対照Comparator、アウトカムOutcome(PICO)の形式で作成されるクリニカルクエスチョンに基づき、網羅的に収集された研究知見をまとめることで評価される。臨床研究の研究デザインおよびバイアスリスク、非直接性、不精確性、非一貫性、出版バイアス、大きな効果、量反応関係、効果減弱交絡因子のドメインをアウトカムごとに評価し、エビデンス総体の確実性をABCD4段階で評価することがGRADEアプローチとして提言されており、一般化してきた。GRADEアプローチはEvidence-Based Medicine (EBM)という言葉を1980年頃最初に提言し、臨床疫学の分野で業績の多いGordon GuyattそしてAndy Oxman、Holger Schünemannが中心となるGRADE working groupが2004年から多くの論文で発表しているものである。エビデンス評価のドメインの内、バイアスリスクの評価法については、コクラン共同計画がランダム化比較試験については2018年にRisk of bias tool version 2.0および観察研究については2016年にROBINS-I (Risk of bias in non-randomized studies of interventions)を発表しており、アメリカ医療研究・品質調査機構(AHRQ)も類似のバイアスリスク評価法を提言している。Mindsでも研究デザインごとのバイアスリスク評価方法を提言している。一方で非直接性の評価は疾患専門家でないと困難である。エビデンス評価のためには、臨床研究、医学統計学、システマティックレビュー方法論の基礎知識が必要であり、診療ガイドラインの推奨作成にはさらに決断分析についてもスキルが必要である。

医療の”賢明な選択(Choosing Wisely)”を推進する

北澤 京子(京都薬科大学 客員教授)

「Choosing Wisely」は、患者と医療者との対話を通じて、科学的な裏づけ(エビデンス)があり、患者にとって真に必要で、かつ副作用の少ない医療(検査、治療、処置)を“賢明に選択”することをめざす、国際的なキャンペーン活動です。そのルーツは、米国内科学会、米国内科専門医機構(ABIM)財団、欧州内科連合が主導して2002年に公表された「新ミレニアムにおける医のプロフェッショナリズム:医師憲章」にさかのぼります。現在、米国をはじめ、カナダやオーストラリアなど各国に、Choosing Wiselyの輪が広がりつつあります。日本では2016年10月に、Choosing Wisely Japan(任意団体)が立ち上がり、啓発活動や調査研究活動を行っています。講演ではChoosing Wiselyの理念、今日までの経緯、具体的な活動、さらには今後の展望について述べる予定です。

五輪選手村総合診療所に於ける多職種協働医療サービスと
カイロプラクティックへの期待

後藤 雅博(後藤カイロプラクティックオフィス 院長)

2016年に開催された、リオデジャネイロ・オリンピックの選手村に設営された総合診療所(ポリクリニック)に於いて、カイロプラクターとしてオリンピアンのケアに携わった経験を基に、総合診療所の施設紹介、カイロプラクターがアスリートのケアを行うまでのプロセス、カイロプラクターが許可を受けたアスリートのケアの場について紹介する。また、医療のグローバルスタンダードとして、カイロプラクターが、整形外科医、理学療法士、オステオパスなどとどのように協働医療サービスを行ったのか、またケア後の医療記録の処理方法、他のスペシャリストとの情報共有、およびそれぞれの配属数や一名当たりに与えられたケア時間やアプローチの比較について触れる。更には、2012年のロンドン五輪のものと比較し、カイロプラクターの選出方法や総合診療所の施設や運営の相違点について述べる。そのほか、トップアスリート、あるいはコーチを含むスタッフが、カイロプラクティックに何を求めるのか、なぜ期待を寄せるかについて考察する。

カイロプラクティックの臨床現場はEPIC重視へ

竹谷内 啓介(東京カイロプラクィック 院長)

最近の脊椎マニピュレーション(Spinal Manipulation)に関する研究では、腰痛や頚部痛といった筋骨格系疾患への効果が注目されている。2018年、医学雑誌ランセットの「腰痛シリーズ」では、過去に腰痛治療として推奨されてきた安静・ステロイド注射・オピオイド系鎮痛剤・外科手術は極力減らし、画像診断などの検査に対しても過度な依存を避け、新たに患者教育・患者中心の医療・安心感の提供など生物心理社会モデルに基づいたケアを推奨している。また世界保健機関(WHO)発行の学術誌では、腰痛ケアに対して各国の医療制度がエビデンスに基づくアプローチをとるよう呼びかけた。こうした流れの中で、世界カイロプラクティック連合(WFC)は、「EPIC(Evidence-based, Patient-centered, Interprofessional and Collaborative:エビデンスに基づく患者中心の医療専門職連携による共同ケア)」のコンセプトを提唱している。カイロプラクティックのEBP(根拠に基づく臨床)は、EBM(根拠に基づく医療)を参考に、最新のエビデンスを導入することで患者のニーズに合った質の高いケアを実施することである。EBMのパイオニアの一人として知られるディビッド・サケット(David Sackett)の定義は、福井次矢らに「入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針」と訳されている。日本カイロプラクターズ協会は、カイロプラクティックが医療(ヘルスケア)として適切に利用されることを目的に業界全体に対して臨床現場でのEPICを推進している。

エンデュランスアスリートの栄養学

中塚 祐文(中塚カイロプラクィック研究所 院長)

近年はマラソンだけでなく、様々な持久系スポーツが注目を浴びている。トライアスロン、マウンテンラン、ウルトラマラソン、バイクのロードレースなどの人気が高くなっている。それに伴って問題も増えてきている。これらの持久系競技は長時間の競技になることも多い。栄養学的なことに無頓着であるために医療が必要になることも増えている。このような持久系のアスリートは栄養学的なアプローチが必要になる。一方でリサーチもたくさんなされていても、十分でない部分もあり、論争になることが非常に多い。ここで全ての事柄についてカバーすることは難しいが、水、三大3栄養素、カフェイン、乳酸菌、抗酸化物質について取り上げて見たい。論文からの情報に加え自分の臨床的な意見も含めて話します。

【プログラム】

  • 11月3日(日)
    9時30分-10時00分 受付
    10時00分-12時00分 開会・基調講演
    12時00分-13時30分 昼休憩
    13時30分-15時00分 基調講演・研究発表
    15時00分-15時30分 途中休憩
    15時30分-17時00分 研究発表
    18時00分-20時00分 懇親会
  • 11月4日(月)
    9時00分-9時30分 受付
    9時30分-12時00分 基調講演・シンポジウム
    12時00分-13時30分 昼休憩
    13時30分-16時00分 ワークショップ
    16時00分 閉会

【参加費】
■ 正会員 10,000円(当日12,000円)
■ 学生会員 3,000円(二日目のみ)
■ 非会員 18,000円(当日20,000円)
※事前参加申し込みの締め切りは10月25(金)です。

【懇親会費】
■ 5,000円(11月3日午後6時~8時まで同会場開催)

【お弁当】
■ 1,500円 お弁当(紙パックお茶付)1日分
※お昼のお弁当を1日分1,500円でご用意いたします。ご希望の方はお申し込みください。お昼は各自でお持ち込みいただいても構いません。ホール内または1階のフリースペースをご使用いただけます。近隣では徒歩10分程の三軒茶屋駅周辺に飲食店があります。

【交 通】東急田園都市線(半蔵門線直通)「三軒茶屋」駅下車徒歩7分。「渋谷」駅から「三軒茶屋」駅まで二駅。
【周辺宿泊施設】□ザビ―三軒茶屋 □渋谷東急REIホテル □ホテルサーブ渋谷 □アクトホテル渋谷 □オリンピックイン渋谷 □ホテルユニゾ渋谷 □渋谷東武ホテル □大橋会館 □セルリアンタワー東急ホテル □ウェスティンホテル東京

【お支払い】10月25日(金)までに、合計金額を指定口座にお振込みください。お申込み後、入金先をご案内するメールをお送りさせていただきます。
【抄録集】10月末に抄録集をPDFデータでお送りします(無料)。印刷冊子(200円)をご希望の方はお申し込み時にお知らせください。

【お願い】会場でのビデオや携帯電話での動画撮影はご遠慮ください。また主催者の指示により写真撮影につきましても一部ご遠慮いただく場合がございますので、ご了承ください。

【大会事務局】

日本カイロプラクティック科学学会事務局
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会内
東京都港区西新橋3-24-5-503
電話 03-3578-9390 E-mail : info@chiropractic.or.jp

お申込みフォーム

過去の学術大会

日本カイロプラクティック科学学会
タイトルとURLをコピーしました